生命保険に加入すると入院の保障が特約でセットされています。最近では単品の医療保険が各社から販売されています。テレビでも盛んにCMを流していますが、はたして医療保険(入院保険)はそれほど必要なのでしょうか?

たとえば、胃ガンで30日入院すると100万円かかるとします。しかし、公的医療保障制度があり多くの人は3割負担で済みます(年齢、収入により負担率は異なります)。
さらに、高額療養費制度があり、働き盛りの一般的な収入の人では1カ月の医療費負担は9万円程度で収まります。健康保険が適用される治療範囲内なら、負担はそれほど掛からないということなのです。他には、入院時の食事代や差額ベッド代、身の回り品を揃えたり見舞いに来る家族の交通費などは自己負担となります。

入院日数も短くなっており、たいていの病気やケガで30日以内に退院できます。脳血管疾患は長期化するようで、平均60日の入院です。(ただし、65歳以上の場合の平均入院日数は100日以上。)
入院日額5000円の医療保険に加入していたら、30日の入院で15万円の入院給付金。最高倍率の手術を受けたとして、手術給付金が20万円。合計で35万円支給されます。あれば助かるけど、逆に手元に同額の資金があれば、あえて医療保険に加入する必要のない金額だともいえます。

医療保険に支払う保険料が月額3000円として、30年間で108万円。50年間で180万円になります。生涯に30日入院を3回~5回以上繰り返すようなら、医療保険で元は取れます。そう考えると、医療保険の必要性って何?ということにもなります。

サラリーマンには傷病手当金というものがあります。入院しても4日目から1年半の間は給料の2/3に相当する額が、健康保険から支払われる制度です。給料が45万円だったら、30万円が支払われます。しかし、給料が減ると住宅ローンや子供の教育費の支払いに支障が出る人には、所得補償として医療保険に入る意義はありそうですね。

また、最近の医療保険には健康相談サービスやセカンドオピニオンといった医療情報を提供してくれるサービスを付帯したものが発売されています。専門家の意見を参考に治療が受けられるのも安心のひとつです。
医療保険を選ぶポイントは、日額いくらとか1入院何日までといった保障内容だけでなく、付帯サービスが自分と家族にとって必要かで選ぶのも大事だと思います。